エクササイズに運動強度ゾーンを使用すると、体力増進の指針となります。各運動強度ゾーンは、それぞれの強度で効果的に体に負荷を与えるよう設定されています。1(最低)から5(最高)まで5種類のゾーンがあり、最大心拍数、ペース、パワーに基づいてパーセントの範囲で定義されています。
運動強度を意識してトレーニングを行い、その運動強度がどのように感じられるか理解しておくことが重要です。計画したトレーニングにかかわらず、エクササイズ開始前に必ずウォームアップの時間をとることを忘れないでください。
Suunto 3 で使用される 5 種類の運動強度ゾーンは以下のとおりです。
ゾーン1:軽度
ゾーン1でのエクササイズは体にかかる負荷が比較的軽く、運動強度の低いエクササイズです。このような軽度のエクササイズは、エクササイズ初心者が基礎体力を向上するため、あるいは怪我やその他の理由で長期間中断していたトレーニングを再開する場合に運動能力の回復を図るために適しています。毎日のエクササイズ(ウォーキング、階段のぼり、自転車通勤など)は、通常この運動強度ゾーン内で行われます。
ゾーン2:適度
ゾーン2でのエクササイズは、基礎体力を効果的に増進します。この運動強度でのエクササイズは特に体に負担がかかるわけではなく、比較的楽に行えますが、長時間行うことでかなり高いトレーニング効果が得られます。心肺機能強化トレーニングの多くは、このゾーン内で行う必要があります。基礎体力を増進することで、他のエクササイズにスムーズに取り組めたり、より活発な活動に向けて身体を準備することができます。このゾーンで長時間ワークアウトを行うと、体に蓄積された脂肪が燃焼され、大量のエネルギーが消費されます。
ゾーン3:ハード
ゾーン3でのエクササイズは、かなりのエネルギーを消耗するため、かなりハードに感じるはずです。瞬発力と運動効率を高めることができます。このゾーンでは、体内で乳酸の形成が始まりますが、基礎代謝が活発になります。この強度でのトレーニングは体に負荷をかけるため、最大でも週 2 回程度にしてください。
ゾーン4:非常にハード
ゾーン4でのエクササイズはレースや試合に備えるために行うワークアウトや、トップスピードを高めるためのスピードワークなどに適しています。このゾーンでのワークアウトは一定のスピードで行うか、インターバルトレーニング(不完全回復を挟みながら中強度から高強度の運動を繰り返すトレーニング方法)として行うことができます。高い運動強度でのトレーニングを行うことで、基礎体力を急速に効率よく向上することができますが、高い運動強度でのトレーニングを行う頻度が高すぎたり、運動強度が高すぎるとオーバートレーニングにつながる可能性があり、結果としてトレーニングプログラムの長期中断を余儀なくされます。
ゾーン5:最高にハード
ワークアウト中の心拍数がゾーン5に達すると、トレーニングが極端にきつく感じられます。代謝できる量を遥かに超える乳酸が生成されるため、体内に蓄積されるようになり、数十分程度でワークアウトを継続することが困難になります。運動強度が最高になるこれらのワークアウトをトレーニングプログラムに取り入れるアスリートは、徹底した管理の下で行います。普通にエクササイズを楽しむ場合には必要のないトレーニングです。
心拍ゾーンは、最大心拍数(max HR)に基づいてパーセント範囲で定義されます。
実際の最大心拍数を設定しない場合、一般的な推定式を使用して計算されます:220 - 年齢。実際の最大心拍数がわかっている場合、心拍数ゾーンを手動で調整することができます。
7 日間のトレーニングプラン(アダプティブトレーニングガイドを参照)は心拍数ゾーンに基づいて作成されます。各心拍数ゾーンの境界値または最大心拍数が実際の数値と一致しない場合、トレーニングプランは設定されたフィットネスレベルの目標を達成するために適切なガイダンスを提供することができません。
Suunto 3 にはデフォルト心拍ゾーンとアクティビティ別の心拍ゾーンがあります。デフォルトゾーンはすべてのアクティビティに使用できますが、より高度なトレーニングを行う場合、ランニングとサイクリングでは専用の心拍ゾーンを使用することができます。
最大心拍数の設定
トレーニング » 運動強度ゾーン » デフォルトゾーン の下にある設定から、最大心拍数を設定します。
最大心拍数は、一般設定 » 個人設定 からも設定できます。
デフォルトHRゾーンの設定
トレーニング » 運動強度ゾーン » デフォルトゾーン の下にある設定から、デフォルト心拍ゾーンを設定します。
心拍ゾーンの表示画面で、リセット を選択すると、心拍ゾーンがデフォルト値にリセットされます。
アクティビティ別心拍数ゾーンの設定
トレーニング » 運動強度ゾーン » 高度なゾーン の下にある設定から、アクティビティ別 HR ゾーンを設定します。
エクササイズを記録する際(エクササイズの記録 を参照)、運動強度のターゲット(目標)として心拍数を選択すると(エクササイズにターゲット(目標)を使用する を参照)、5 つのセクションに分かれた心拍ゾーンゲージが表示されます。心拍ゾーンゲージは心拍数をサポートするすべてのスポーツモードで表示画面の外周に沿って表示されます。このゲージのセクションのうち、現在トレーニングを行っている心拍ゾーンに該当するセクションが点灯します。ゲージの小さい矢印は、ゾーン範囲内での現在の位置を示します。
選択した目標ゾーンに達すると、ウォッチがアラートで知らせてくれます。エクササイズ中、心拍数が選択した目標ゾーンから外れると、ウォッチがスピードアップまたはスローダウンするようにガイドしてくれます。
さらに、スポーツモードのデフォルト表示では心拍ゾーン専用の表示があります。現在の心拍ゾーンはゾーン表示の中段に表示され、ゲージの背景色によって現在トレーニングしている心拍ゾーンがわかります。
エクササイズのサマリー画面には、各ゾーンでの経過時間の内訳が表示されます。
ペースゾーンは心拍数ゾーンと同じように使用することができます。ペースゾーンでは心拍数の代わりにペースに基づいてトレーニングの運動強度を設定します。ペースゾーンは、ウォッチの設定に基づいてメートル単位またはインペリアル単位で表示されます。
Suunto 3 では、デフォルトで用意されている 5 つのペースゾーンを使用するか、カスタムペースゾーンを定義して使用することができます。
ペースゾーンはランニングで使用できます。
ペースゾーンの設定
トレーニング » 運動強度ゾーン » 高度なゾーン の下にある設定から、アクティビティ別のペースゾーンを設定します。
エクササイズを記録する際(エクササイズの記録 を参照)、運動強度のターゲット(目標)としてペースを選択すると(エクササイズにターゲット(目標)を使用する を参照)、5 つのセクションに分かれたペースゾーンゲージが表示されます。これらの 5 つのセクションは、スポーツモードの表示画面の外周に沿って表示されます。このゲージの 5 つのセクションのうち、運動強度のターゲットとして選択したペースゾーンに該当するセクションが点灯します。ゾーン範囲内での進み具合を示す小さな矢印がゲージ上に表示されます。
選択した目標ゾーンに達すると、ウォッチがお知らせします。エクササイズ中、ペースが選択した目標ゾーンから外れると、ウォッチがスピードアップまたはスローダウンするようにガイドしてくれます。
エクササイズのサマリー画面には、各ゾーンでの経過時間の内訳が表示されます。